はなしにならないはなし12
Vol.12 歯を白くするホワイトニング
何年か前に、テレビのCMでさかんに「芸能人は歯が命」といって、きれいな歯の女優さんが、アパタイト入りの歯磨き粉の宣伝をしていました。記憶に間違いがなければ、この女優さんはご自分の歯ではなく、セラミックの歯をかぶせた俗にいう差し歯だったと思います。こういう歯の方を、歯磨き粉の宣伝に採用しているのでは、どうなんだろうと見ていたところ、その後ブームが去ったのか,あまり見かけなくなってしまいました。
このての歯磨き粉(正式には歯磨剤といいます)には粒子の粗いものが多く含まれていますので,歯の表面を削ってしまい,一時的には白くなりますが、長い間使っているとエナメル質が削られ薄くなり、ムシ歯になりやすくなったり、知覚過敏を起こしたりし、あまりお薦めできません。
歯医者さんで行なっているホワイトニングには、歯の表面に着いた汚れを取る歯面研磨、歯の内部までしみ込んだ汚れを漂白するブリーチング、セラミックでできた爪状のものを接着するラミネートベニア、そして歯全体にセラミックのキャップを被せる歯冠補綴があります。
歯の研磨は、ちょっとしたタバコのヤニや茶渋を取るのに有効で、粒子の粗い研磨剤から細かいものまで順番に磨いていきますので、歯の表面がツルツルになります。
ブリーチングは、長期にわたり歯の奥まで染み込んだ色素沈着を取るのに優れた方法で、歯の表面に漂白剤を塗り時間をかけて白くします。場合によってはレーザーを当てることで、より強く作用させることもできます。また、薬液と機材を自宅に持ち帰り、寝ている間に漂白するホームブリーチングという方法もあります。
ラミネートベニアは、セラミックでできた指の爪状のもので、抗生物質の副作用などで強く付着した歯の表面を一層削り、そこに特殊な接着剤で張り付けます。セラミックは非常に固いので、歯ブラシで強くこすっても削れず、透明感のある美しさが保てます。
歯冠補綴の良いところは、土台を立てて歯の周囲を全てキャップ状に被せるので、ムシ歯でボロボロになった歯でもきれいに治すことができます。また、インプラントやブリッジを応用すれば、何本かの歯がない時でも治せます。
適応症や費用についての詳しいことは、歯医者さんで相談してください。
白く美しい歯の笑顔は、どんな言葉より力強く魅力的ですね。「芸能人は歯が命」だけではなく、「一般人も歯が命」なのかも知れません。